【シミュレーション】生涯貯金計画を立てろ

闇雲に貯金をしても効率は悪くなりがちですし、モチベーションを保つのが難しくなります。特に大きな目標を設定するのであれば、まず計画を立てましょう。本稿では、計画の重要性と立て方を紹介します。

目次

生涯貯金計画の重要性

もし、あなたが現在貯金を始めているのであればお聞きします。目標額はいくらで、達成予定はいつで、老後の取り崩しプランはどうなっていますか?

この質問に答えられないのであれば、ぜひこれから一緒に計画を作成いただきたいと思います。

何か大切かつ困難な目標に取り組む際には計画の作成が非常に効果的です。私は資産運用を本格的に始めた26歳の時に生涯貯金計画を作成し、37歳で1億達成するまでの大きな手助けとなりました。

以下に主な計画の効果を紹介します。

  • 目標金額と達成時期の明確化
    現状の収入、運用益、支出から資産形成力(貯金可能ペース)を測り、目標額達成の時期を計算出来ます。
  • <記録管理>
    計画と合わせて実績進捗(収入、運用益、支出)を記録することで、資産推移の管理が可能です。
  • <課題把握と対策>
    計画と実績進捗を比較することで、計画通りに資産形成が進んでいるかの評価が可能です。収入面、運用面、支出面のどこに課題があるかを早期把握し、対策を立てることが出来ます。
  • <目標額達成後の資産管理>
    生涯に渡る資金計画を作ることで、退職後に必要な生活費を見積り、取り崩しプランを作成することが出来ます。ここが甘いと退職後に貯金が枯渇し、老後に再び働く必要がでてきてしまうかもしれません。ベストは運用益の範囲内に生活費を抑え、貯金を減らさずに暮らすことです。
  • <モチベーション向上>
    目標達成までは収入最大化のための仕事や、支出最適化の面で節約も必要になります。楽しみながら実践出来るのが一番ですが、人によっては辛く感じる時期もあるかと思います。目標額を達成し、経済的自由を手に入れた後はそれぞれの自由が手に入るはずです。

    辛い時期がいつまでも続くのは耐えられないと思いますが、目標までの有限であることを意識し、将来の夢を描きモチベーションを上げながら取り組んで欲しいと思います。

筆者の1億円達成までの略歴は下記プロフィールで紹介しています。

夫婦で協力する

あなたに結婚しているパートナーがいるのであれば生涯貯金計画は一緒に作る様にしましょう。

私がそうであった様に方働きでも30代での1億円達成は可能です。ですが、共働きで協力すればより早く目標を達成することが出来ます。また、夫婦で同じ目標に向かって取り組むことで効率性やモチベーションも上がります。片方が節約しているのに、もう片方が無駄遣いしていてはストレスが溜まってしまうはずです。

パートナーによっては資産運用をリスクがあるからと嫌厭したり、早期退職に反対することもあるかと思います。そんな時にも生涯貯金計画を準備しておくことで、具体的な数値を使用して貯金推移や退職後の生活費支出を説明することが可能となり、お互いに納得して整合をし易くなるはずです。

妻シーサー

私も投資の話や、家でまで仕事をしていることがあるのは不安だったけど、生涯貯金計画で具体的な金額目標が分かり易かったから、安心して応援出来る様になったよ。

資産形成は生涯をかけて取り組むことなので共働き如何によらず、パートナーの協力は必要不可欠です。ぜひ、生涯貯金計画を活用して夫婦で協力する様にして下さい。

生涯貯金計画の作成方法

では、具体的な計画作成方法を紹介します。分かり易さを重視していますので、資産・負債の考え方や税金等は簡略化しています。シンプルですが実際に私の資産形成にも大きく役立ちましたので、ぜひ継続して管理してみて下さい。資産が目標に向かって積み上がっていくのは皆さんのモチベーション維持にもなるはずです。

STEP
必要な手元資金を貯金する

生活費の3~4ヵ月分を計算し、必要な手元資金として銀行に貯金する様にして下さい。3~4ヵ月分あれば月例で発生しない様な特殊な費用(車検、保険、入学金、余暇の旅行、等)も基本的にはカバー可能なはずです。借金や負債の返済があればここの支出に含めてしまって構いません。

私の場合は100万~120万程度の設定でした。

STEP
証券口座を開設し、貯金する

STEP①で設定した手元資金を超える分は全て運用資金として、証券口座に預けましょう。運用方法については別カテゴリー(資産運用)を参照下さい。

ポイントは「収入の範囲内で支出(生活費)する」ことです。これを徹底し最大化することで、設定手元資金を超える分を毎月証券口座に回し、資産を増やすことが出来ます。

STEP
Excelで生涯貯金計画を作成する ~年月~

Microsoft Excelで実際に生涯貯金計画を作成します。まずは上から下に向かって現時点の『年月』と『年齢』が1ヶ月毎進行する様に100歳まで行を作って下さい。(現時点より過去の年月は不要)
(例)
A列:年月(例えば2000年1月)
B列:年齢(あなたの年齢;誕生月毎に更新)

1年で12行進む計算です。

STEP
Excelで生涯貯金計画を作成する ~運用原資~

『資金投入』、『運用原資』の列を作り、現時点までに証券口座に入金した累計額を記載して下さい。『資金投入』は毎月の入金額、『運用原資』は入金累計額を記載します。
(例)
C列:資金投入(証券口座への当月入金額)
D列:運用原資(証券口座への入金累計額)

STEP4では現時点1行のみの記載なので、『資金投入』=『運用原資』になります。資産運用に回す資金がないのであれば現時点では0です。将来予測値を後のSTEPで記載します。

STEP
Excelで生涯貯金計画を作成する ~資産評価額~

『資産評価額』の列を作成します。証券口座入金額と運用資産評価額の合計値です。証券口座トップページで確認可能です。
(例)
E列:資産評価額(証券口座月末残高)

現時点、証券口座への入金のみであれば『運用原資』と一致します。運用資産購入後は日々評価額が変動しますので、月末残高を毎月更新します。

STEP
Excelで生涯貯金計画を作成する ~運用損益~

『運用損益』の列を作成します。証券口座運用資産の当月増減額が運用損益です。
(例)
F列:運用損益(資産評価額増減)

現時点、運用資産を保有していなければ0になります。ここまでで、テンプレートの作成は完了です。

STEP
Excelで生涯貯金計画を作成する ~資産形成プラン作成~

テンプレートに資産形成プランを記載していきます。

現状の収入と支出を参考に『資金投入』&『運用原資』予測値を将来に亘って記載して下さい。賞与月は考慮しても、年間平均に均してもどちらでも構いません。長期目線の予測は難しいかと思いますが、将来の昇給も考慮しながら気軽に予測してみて下さい。

次に『運用損益』の予測値を記載します。計算は前月末『資産評価額』×期待収益率(月利)です。期待収益率の設定は、すでに資産運用経験がある方は過去のパフォーマンスから、経験がなく予想がつかない方は暫定で月利0.4%(年利4.8%÷12)を使用し、経験を積んでから実績に合わせて調整すればOKです。

最後に将来に亘る『資産評価額』を計算します。計算は前月末『資産評価額』+当月『資金投入』+当月『運用損益』です。

STEP
Excelで生涯貯金計画を作成する ~目標設定~

STEP⑦まで完了すると、あなたの資産形成ペースが分かります。最後に、目標の資産評価額を設定して下さい。目標資産評価額による運用損益内に生活費支出を抑えることが出来れば、晴れて経済的自由達成です。

なお、実際は運用損益の利益部分には約20%の税金がかかりますので考慮が必要です。皆さんにお勧めするのは、本ブログのテーマでもあります様に目標値は1億円に設定することです。1億円あれば年利4.8%時の月次運用損益は約40万円(年間480万円)と多少余裕のある生活を送ることが出来るのではないでしょうか。

さあ、あなたの目標達成年齢はいくつでしょう。非常に厳しい、もしくは定年60歳でも到達出来ない状況かもしれません。ただ、これがインプット条件を基にした現実的数値です。漫然と貯金するより具体的数値計画を作成しただけでも、あなたの資産形成は今までよりも大きく一歩を踏み出しています。

後は目標額に出来るだけ早く到達出来る様に頑張るしかありません。計画作成の効果として、早期達成には本ブログで紹介している『収入最大化』、『資産運用』、『支出最適化』しかないということが、計算を通して分かっていただけるかと思います。

実は私も26歳で初めて計画を作成した時は、60歳で1億円を達成する目標設定でした。実際は主に収入増や運用益拡大により、37歳での1億円達成と大きく前倒し出来たことになりますので、その方法について本ブログで紹介していきます。

生涯貯金計画イメージ

目標値を1億円とする理由については下記記事で詳しく紹介しています。

生涯貯金計画の運用管理

せっかく計画を作っても活用しなくては宝の持ち腐れです。ここからは運用管理について説明します。

まず、作成した計画は工数削減を考慮したシンプル版となっていますので、好みに応じてアレンジいただいても構いません。使っていく中で管理したい指標が出てきたら追加してみましょう。

アレンジ例
  • 収入列追加(収入トレンド把握;給与収入と児童手当等のそれ以外を分割管理してもOK)
  • 支出列追加(支出トレンド把握;家計簿をつけている方は転記可)
  • 運用損益累計列追加(資産評価額-運用原資でも計算可)
  • 運用損益率列追加(月利や年利換算もOK)
  • 騰落率列追加(資産運用パフォーマンス把握)
  • 証券口座からの引出時は資金投入へのマイナス入力(例えば目標額達成後に、運用損益以上に生活費を支出する場合)

次に、実績数値の管理をお願いします。「生涯貯金計画」はそのまま残し、隣の余白に「生涯貯金実績」を作成して下さい。毎月、月末資産評価額が確定したら実績を更新するのがお勧めです。当月運用損益は「当月末資産評価額-前月末資産評価額-当月資金投入」です。計画と乖離があれば、どこに課題があるのか確認しましょう。

最後に、生涯貯金計画は必要に応じて更新していきましょう。収入、運用損益、支出等の条件は環境によって大きく変化していくはずです。転職による昇給や、資産運用経験を積むことによる期待収益率向上等があれば、随時計画は見直す様にして下さい。

今後に向けて

作成した生涯貯金計画を見てあなたはどう思っているでしょうか。ワクワクしている人もいれば、先の長さにうんざりしている人もいるかもしれません。

私も作成当初は1億円達成が60歳だったことから、先の長さは感じたものの、「運用益を上げればこれだけ早期退職して、仕事をしなくて済む」、「1億5千万円達成出来れば、運用益だけで贅沢に遊んで暮らせる」、等の空想をしながら興奮していた覚えがあります。

夢は持たなくては叶いませんし、計画を作れば間違いなく夢に近づきます。達成のためには色々な困難も経験することでしょう。私は運用損益の最大損失がでた月は1ヶ月で-608万円の損失でした。それでも狼狽売りせずに、自分で決めたルールに従って粛々と資産形成を続けたことで1億円を達成することが出来ました。

ぜひあなたも生涯貯金計画と実績と睨めっこしながら、目標達成に取り組んでみて下さい。

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